その人、そんなに悪い人じゃないと思うよ

Facebookでの話だけれども、 僕くらいの世代すからればなんだか変なポリシーを持っている 方々がいらっしゃるように散見される。

その一つが

「リアルで会ったことない奴は友達申請してくるな」

みたいなもの。その傾向は年代が上のユーザーに顕著だ。

ちなみに僕はリアルで会ったことがなければならないとか、 友達申請の前にメッセージを送らなきゃいけないとか、 そんなのは割とお構いなしだ。

その人との間にせめて「共通の友達」がいるとか、 アクティブなユーザー(それなりに更新してるか)か、とか そんなことを軽くチェックしたら承認することが多い。

年代が上のユーザーはきっと「ネットで知り合う=危険」 みたいな感覚を強く持っている。 お金をたくさん持っていて、お金を払えば色々できるような 世代はそれだけの余裕がある、ということであり、 それはそれでいい。

ただ若い世代は上の世代に比べると経済的には圧倒的に不利。 そこで生み出されたのがWeb上での様々なサービスであり、 Web上で知り合うことによって、 経済力の弱さを部分的に補完する術としているくらいに Web上で知り合うことは生活の一部になっている。

だからこそ、経済的に不利な世代にいる人たちが、 見知らぬ人を積極的に信用し、 自分の持っているリソースをオープンにすることで、 お金をかけずに色々なことをする、というのは 割と生存のための「戦術」と言っても過言ではない。

●見知らぬ人を積極的に信用せよ

ちょっと話は逸れるけれども、

電車で誰かに席を譲った経験はあるだろうか?

もしくは、自転車をドミノ倒しにしてしまった人を、 サッと手伝って一緒に自転車を立て直した経験はあるだろうか?

知らない人に声をかけてチョット良いことをした経験はあるか?

―たぶん、ほとんどの人があると思う。

「見知らぬ人である」という緊張を破って 手を差し伸べてくれた人は、その行為自体にその人の人柄が 現れていると思うし、

差し伸べる側も、ほんのちょっとの手伝いが 人の役に立てたなら、心がホクホクと嬉しい気分になるはず。

もし知らない人に声をかけて騙したとして、 一番傷つくのは誰だと思う?

―騙した本人に他ならない。 そうやって「人を騙す自分」に苛まれながら その先も生きていくのだ。

騙された側はその事実に気付かないかもしれないし、 気づいても「じゃあどうするか」を考えて 実行するほかない。

たとえ知らない人だとしても、 他人に良いことをするメリットはあれども 騙すメリットはない。

そんなことで、差し伸べてくれるオファーは 積極的に信用してもいいんじゃないでしょうか? 差し出す側もちょっとのリスクを冒して くれてるわけですし。

(ちなみに、今付き合っている彼女も、 今近しい学生時代の友人も、 始まりは「見知らぬところから突然声をかけた」 という点で共通している。)

●自分のリソースをオープンにせよ

上の例え話は一瞬のことで、 その後のつながりもできにくいこと。

もうちょっと「つながり」を意識した話をしよう。

もしWeb上に

「僕は車持ってるから行きたい所へ連れて行きますよ」とか

「英語が話せますから、通訳・翻訳やります」とか、

「僕は有名な観光地に住んでいて、普通なら泊まるのにも お金がかかるけれど、タダで泊まってもらってOKです」とか

そんなことを書いて、実際に使ってもらったとする。

僕は、他人のために使っても減らないリソースを 「おすそ分け」したことになる。

もしその相手が他県から来た人なら、

「じゃあ、今度時間があったら僕のところに旅行においでよ!」

となるかもしれないし、

同じ地域の人なら

「もし音楽がやりたいなら○○という人を紹介するよ」とか

「家庭菜園で採れすぎたピーマンとナスとトマト、持ってってよ! ウチじゃあ食いきれなくて腐っちまうだよ」とか、

そんなこともある。

一人じゃ持ち切れないリソースを「おすそ分け」 することで、なんだか双方にメリットがあるじゃん!

●お金をかけずに色々なことができる

民泊の可否がどうなるか、という状況の中、 「カウチサーフィン」というサービスがある。 これは世界中の旅先で「無料で」泊めてくれる人を探す サービス。ホストには自国のお土産を持ってくとか、 他の国の友達ができれば、今度はその人の家に タダで泊めてもらえるかもしれない。

他には、長距離ドライブのガソリン代・ ETC代を折半する相手を探して安く旅ができる 「notteco(のってこ)」もある。 企画者も、乗合人も安く行けてハッピー!

僕が頻繁に使用している「ジモティー」は 地元で直接会って不用品の売買をする、という 新しいフリマ的なサービス。 リサイクルショップが間に入らないので、 リサイクルショップより高く売ったり リサイクルショップより安く買ったりできる可能性が高い。

それぞれ自分では持てあましている 「自宅」「車」「不用品」というリソースを オープンにすることで、お金をかけずに 色々なことができる。

●終わりに

もちろん、トラブルがないとは言い切れないけれども、 それはお金を払ってのやりとりでもあること。

ほんのちょっとのリスクを冒す覚悟があれば、 見知らぬ人を信用することで お金をかけずに出来ることは格段に広がる。

僕たちの世代は上の世代に比べると決して経済的に豊かとは 言えない。

だからこそ、自分のリソースをオープンにして、 他の人のリソースからも恩恵を受けよう。 その可能性があるなら、知らない人を承認するくらい、 いいんじゃねーの?

というお話でした。