楽しみは見出すもの

諏訪に引っ越してきてもう五ヵ月経ちます。

「(大学時代を東京で過ごした人間が、)こんな田舎で楽しいの?」と

心配されることもしばしば。だけど僕はこのゆったりな空気と水のある環境を

大変気に入っている。それに、ちょろちょろその辺まで出かけては

新しい発見を探しまわっている。

 

別にストイックでもなんでもない。好きでやってるんだ。

それはこの街で生きていくととりあえず決めたからであって、

勤め先には基本、転勤がないからね。

 

先日東京から友人が諏訪に遊びに来てくれたが、

ある時に「この辺に娯楽施設ってあるの?」と質問された。

その時僕は「平たく言えば『ない』」という回答をしてしまった。

 

後で思い出したら、近くにカラオケボックスもあるし、ボウリング場もある。

ちょっと離れるけど、ゲーセンもある。僕はやらないけど、パチンコ屋もある。

さすがに、アディダスショップみたいなのとエッチなお店はないかな。たぶん。

 

そもそも僕はこっちに来てからというものの、

そういう施設に娯楽を求めたことはあまりなかった。

諏訪湖の夕焼けとか、角間川の流れる音とか、

近くにたくさんあるベーカリーのパンとか、

ちょっと美味しそうにごはんを作ってみようとか、

夜にぼんやり照らされる丸高蔵(味噌蔵)の前の足湯に浸かってみるとか、

諏訪大社春宮の川べりでリンゴをかじりながら本を読んでる人を見て

「風流だな、おれもやってみたいな」と感じるとか、

晴れた日の夜はあのセブンイレブンの裏から綺麗な星空が見える、とか、

そんなことに楽しみを「見出して」きた。

 

だから、「そんなことよりシブヤで服買いたい」とか、

「とりあえず大学の友達で『呑み』やる?とりあえず3000円のコースで予約しとくわ」

なんて人にはこっちの生活は全くお勧めできない。

 

結局、楽しいと思うか思わないかは、そこに「『楽しいもの』があるか」じゃなくて、

その人のセンス(物の捉え方、感じ方)次第なのだ。

 

僕は実際に原宿の雑踏で気分を悪くして寝込んでしまった日もあったし、

往復3時間の通学(満員)電車の時間に対して、

時には吊革をつかんでいる手をそのまま前の人に振り下ろしたくなるくらい

ストレスを感じていたこともあったことを思い出した。

僕の「センス」はそっち向きじゃなかった。それだけ。

 

きっとどんなところにいたって、自分のセンスに正直に、人がどう思うとか関係なく、

楽しみを「見いだ」せればいいんです。その人次第。

 

 

今日も退勤後に散歩していたら隠れ家的なシブーい温泉を見つけましたよ。

入浴料230円。今度友達来たら連れていこう。



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