おっぺけぺー

職場の先輩に、「君はお勉強はできても、仕事はおっぺけぺーだ」と言われたことがある。

そう、僕は間違いなく「おっぺけぺー」だ。
 
僕は他人に言われたことを、その通り、きっちりこなすのが苦手だ。
もっと言うと、「からっきし」である。
 
他人に指示されたことに対して、「どうしてそうなるの?」とか、
「こうやったらどうなるの?」とか、「こうやってもいいんじゃないか」とか、
「どうしてそういう方法でやるんだろう?」とか、ほぼ無意識に考えてしまう。
 
一番だめなのは、特別に僕の出番でもないとき(他にもっとできる人がいるとき)で、
「こいつ本当に大丈夫かよ」と、心配の眼差しを向けられるとき。
こんな風に思うのは良くないと分かりつつも、「だったら自分でやってよ」と思ってしまう。
もしくは、誰かの期待に応えたい、という気持ちが必要以上に働きすぎて、
かえって緊張してしまう。
 
学生時代のバイトだって、そんな風にやってたくさんミスをしてきた。
なんでそんなに失敗するのか、そんな風な失敗をするのか、自分でも知りたくなるほど。
 
ただトータルで考えると悪いことばかり、というわけでもない。
 
あるときまた違う先輩は「ニカッ」(この表現がしっくりくる)と笑って僕にこう言った。
 

「失敗は宝だ」

 
みんなの模範とならなくては、と、なるべく失敗しないことを是としていた、
部活をやっていた頃までの学生時代。
 
今となってはある程度(いや、結構)ミスるやつ、というキャラクターが立っていることが
日常の回りの反応からもわかるし、「おっぺけぺー」という言葉に現れているんだと思う。
ただ、それを直接言ってもらえて、自他共に認めている状態というのは「良い」!
 
かくして僕は、できないことは周りのサポートを得ながら、
たくさんの「宝」を拾いながら生きていけるのである。
 
そう、周りの人たちが僕のできないことをサポートしてくれるからこそ。