役割の再構築 にまつわるはなし「十分に役割を果たした」

誰かを支援することの最終目的が「自立」であり、

そのプロセスで「徐々に手を離すこと」があるならば、

「今までやってきたことでも、もうやらない」ということが

そこには確かに含まれる。

 

一人でも、十分できるようになったことの存在を認め、

自分と相手の関係および、在り方を都度、

できるようになったことが増えたからこそ、

再構築する必要に何度も迫られる。

 

「前はやったのに、今はやらない」ということに

一貫性の欠如を見て後ろめたさを感じることがあっても、

最終目的が「誰かの自立のための支援」であるならば、

そのプロセスで自分と相手との関係を再構築することは

「自立」という目的に対する姿勢の一貫性には反しない。

 

そう言った意味で「十分に役割を果たした」

という言葉はとても良い言葉だと思っている。

これまでやってきたことに対して、

たしかにリスペクトを示しながら、

「もう、これ以上はいいよ」という

ノーセンキューを示すことができる言葉だからだ。

 

「たしかに、その時は必要だった」

「その時のニーズを埋めてくれたことには感謝している」

「だけれども、これ以上は不要である」

「あとは、自分でやってみる」

「だから、あなたは他の役割や場所を見つけて欲しい」

「僕は、あなたの力を使わずに、やってみようと思う」