「やりたいこと」の壁 ―だから就職活動は「無理ゲー」になる―

過去の記事 「やりたいこと」と「本当にやりたいこと」の違い

では、

「本当にやりたいこと」ならば、 「やりたい」とか考えるまでもなくやってしまっている。

逆に言えば、 「やりたいこと」は実際にやってしまってはじめて 「本当にやりたいこと」になる。

そんなことを書いた。

だとすれば、

本当の意味での「やりたいこと」は 新しく探しても絶対に見つかるはずなどない。

見つかったとしてもせいぜい「やれたらいいな」くらいのこと。

就職活動ではほとんどの学生が 「やりたいこと」の壁にぶち当たる。

本当に「やりたいこと」は「やりたい」と思う間もなく 既に実行していることの中にしかないのに、

「やりたいこと」というやつを、 エントリーした会社の業務内容と絡めて、 それらしく面接官に説明しなければならない。

つまり、「やりたいこと」が新しく見つかっても ふんわりと「盛る」ことをせずには面接で話すことができない。

正直な学生ほど、これに苦しむことになる。

会社での仕事は基本的には 「言われたことを、きちんとやる」だから

「『やりたいこと』を見つけて、自分を売り込む」 就職活動とは全くの別物。

理屈では、就活の得手不得手が 仕事ができるか否かに影響することはない。

ただし、 入社の前にそういう壁が立ちはだかるという点で、 就職活動はある種の「無理ゲー」と化すのである。