ややハードルが高いSNSだからこそ?-ゆるい人間関係維持のツールとしてのFacebook-

「気軽に人間関係を維持できるツール、 それがFacebookなのです」

先日も紹介した本 『生存戦略としてのIT入門 自分でつくるセーフティネット』 にはそんなことが書かれていた。

そういえば、以前大学の同級生で集まったとき、 僕は数人からこんなことを言われた。

「久しぶり!…でも久しぶりに会った気がしないね。 Facebookでいつも投稿を見かけるからかな笑」

その時は「人間関係を維持~」という風には思っていなかったが、 改めて考えるとその発言はそういうことの結果だ。

先述の本で挙げられているFacebookの特徴として、 「いいね!」ボタンひとつでささやかな意思疎通ができる という点がある。

誰かが自分の投稿に対して「いいね!」してくれれば、 「お、見てくれてるんだな」ということが分かるし、

一方、誰かの投稿に対して自分が「いいね!」すれば 「おれはお前をリスペクトしてるよ!」と言うことが伝えられる。

・・・とある。

それでいて、踏み込んだコメントをする必要もない。 結果、ゆる~く「この人はこんなことをしていて、 こんなことに興味があるんだな」ということを知ることができる。

しかも利用者は例え自分で頻繁に投稿をしなくとも きっと結構な頻度でFacebookを開くから、 何となくタイムラインに表示されたり、 「いいね!」し合ったりした人の名前が、 過去の思い出や過去の投稿とともにふんわり新しい記憶に残る。

それは今主流のInstagramTwitterなどと同じでは? という人もいるだろう。

ただ僕はSNSではFacebookをメインに使っているし、 ゆるい人間関係の維持、という点ではFacebookが 最も優れていると思う。

Facebookが実名での利用が基本と言うことはもちろんだ。

ここで特筆すべきは、 InstagramTwitterに比べて、 今やFacebookがややハードルの高いSNSになっているということ。

写真を楽しむという機能がInstagramへ移り、 (ハッシュタグで検索しやすいし) ちょっとした気づきやちょっとした心の叫びといった投稿をする 機能は、匿名利用が可能でかつフォロー・ブロックがより容易な Twitterに移っている。

そうなった今、Facebookに求められる投稿は 自己完結的なものよりも、誰かに役に立つ(かもしれない) コンテンツ性をを持ったものへとシフトしている。

イベントの告知や自分で作った映像やブログなどのコンテンツ、 役立つ記事のシェア、そういうものの多くはFacebookですよね? Instagramと同じく写真の投稿をするにしても、 Facebookの場合はその写真の背景やエピソードも語られることが多い。

自分だけで完結しない分、ちょっとハードルが高い。 しかも実名だし、「友達」なら、フォーマルな関係の人の 目につく可能性もある。

そういう理由でみんながみんな投稿を乱発できないからこそ、 コンテンツ性を持った投稿を繰り返すことができれば 他のSNSに比べて自分の投稿が目立つし、 自分の「友達」リストという狭い“仮想コミュニティ”ながらも 自分の印象を(良きにつけ悪しきにつけ、、、)残しやすい。

あとは、しばらく連絡をとってなくても 「今日は○○の誕生日」という通知があれば、 メッセージを送るハードルが低くなるのも、忘れてはいけない特徴。

かくして、積極的に利用することで ゆるく人間関係を維持しやすいのがFacebook。 僕はそんな風に捉えます。