そもそも、比べようがない

競争しても意味がないことで競争をしたり、 妬んだりすることほど無駄なことはない。 誰かと競争なぞせず、超個人的に尺度を持っておけばよいものが 『金銭感覚』であり、『経済状態』なのだ。」

『節約する人に貧しい人はいない』という本は こんな出だしから始まる。

そのタイトルがちょっと前から気になっていたところ、 半額近くまで値下がりしていたのでkindleで購入。

まず、収入は数字に表れる点では比較可能だが、 経済状況やそれと密接なつながりのある Quality Of Lifeまでは競争できない。 価値観は人によって全く様々だからだ。

純粋に手っ取り早くお金を貯める、ということを考えれば 「実家で暮らす」ことを前提にしたうえで、 就活版『会社四季報』でも見て給料の良いところだけに絞って 就職活動をすればよい。

でも、価値観が絡めばそう簡単には行かない。

「多少お金がかかってでも一人暮らしをして、 精神面、生活面でより自立した生活を送りたい」と思う人もいれば、

「大都会の高給取りもいいけれど、 やっぱり地元で転勤のない生活を送りたい」と思う人もいる。

どちらも、大事にしたいライフスタイルへの価値観。

それから、置かれた状況がそもそも違う。

親のお下がりで車を持てる人または親が車を買ってくれる人、 車を自分で買わなければならない人、 それだけで結構な差が出てしまう。

家族の人数分の一人分の食費を払えば生活できる人もいれば、 食事を全部自分で賄わなければいけない人もいる。

こうした対比を持ち出すことで どちらが良いとか悪いとか、そういう人が妬ましいとか、 そういうことを言いたいのではない。

言いたいのは「そもそも、比べようがない」ということ。

今更そんなことを言うのは、 僕たちの世代でさえ、間違いなく競争の意識が強いからだ。 そして僕は、そういう競争が存在することを知っているから、 あえて、競争を避けるようにしている。