「常識を疑え」!?~「最適化」のはなし~

「常識を疑え」なんて言うとカッコつけた言い方に聞こえるけれど、 常識、もとい一般的な考えを「見直す」というのはどうでしょう?

そこにはきっとその人に「最適化」できる余地があると思うのです。 今日はところどころ就活を例に出してそんな話をしようと思います。 昨日本格的に始まったばかりだしね。

ちょっと話は戻って。

僕は「みんながいいと思うものはいいんだ」的なものや考えは 真っ先に疑うタイプです。 別に「おれはみんなと違うんだ」とか「おれがパイオニアだ」とか、 そんなことを言うためにやっているのではありません。 みんなが「いい」と思うものほど、最大公約数的なもので、 多くの人にとって妥協できて無難である一方で、 必ずしも一人一人にぴったりフィットするとは限らないからです。

たぶん、就活においては 「30歳前後で結婚して、子供は2、3人いて、 子供みんなを安心して大学までやれる・・・ みたいなステレオタイプ的将来を描きやすい大企業」に入るのが それに当たるんだと思います。

それが悪いとは言いません。 僕の親だってそんな感じでしたし、 それで僕たち兄弟は幸せに育ってきたわけですから。

ただし、就活をはじめ、進路選択活動(「進活」)を迎えるころ、 様々なことを見て、感じて、考えた21歳のころ。 冷静に考えて、誰もが同じ未来を望んでいるとは限りません。

どこかで無理に「結婚して子供を育てなければいけない」という 前提に縛られるから、そういうステレオタイプが存在する。 僕はそういう風に思います。

生物である以上、「子孫を残す」という宿命もあるんでしょうが、 まだ居もしない将来の家族のことを考えなければ、 (目指す大人像・・・というと大袈裟ですが) 少なくとも純粋に「いいな」と思う大人像って、 その時点ではもうすでに人それぞれ違ってくると思うんです。

僕は学生時代、バースタイルの飲食店アルバイトで、 のべ500人以上の大人と話をしてきましたが、 そこでは本当に色々な人と出会いました。

大企業に勤めている人、中小企業に勤めている人、 自分で会社を興した人。

結婚している人、していない人。

子供がいる人、いない人。

入社したばかりの人、管理職の人。

定時に上がって早く飲みにこれる人、 仕事が遅くなって閉店ギリギリに来る人。

土日も関係なく仕事をしている人、 完全週休二日制で働いている人。

大型連休で10日以上連休が取れる人、 休みも関係なくせっせと働く人。

仕事のことを、当時就活中だった僕に生き生きと話してくれる人、 仕事の愚痴をこぼす人。

どっちが良くて、どっちが悪いとかいうつもりはありません。

これらの組み合わせでいろんな人に出会いました。 それぞれの人に対して「人生楽しそう」「人生楽しくなさそう」 「ストレス多そう」「ストレス少なそう」という印象を受けました。

その中で、「こうなりたいな」とか、 「(この部分で)こういう風にはなりたくない」とか、 そんなことを思うようになりました。

「こうなりたいな」「いいな」と思った人は 必ずしも前述のステレオタイプ的な人とは限りませんでした。

そんでもって、多くの人が「いい」と思う就活の結果が、 その後まで保証するとは限りません。 結局大事なのは、「どこの会社に入るか」よりも 「どんな風に人生を過ごすか」の方だと思うんです。 ちょっと生意気なことを言うようで恐縮ですが。。

だから、もし「おれはこう思う」という考えがあるときに、 自分の道を行くことでちょっと目立つ(かもしれない) ハードルを越える勇気を、ちょっとだけでも 持てたなら、 その先には他の誰でもない、自分に最適化された、 まさに最小の約数(合ってるのかな?これ)的な世界があるはず。

一般的な「就活」が本当に当たり前で、すんなり受け入れられる人は せっせとエントリーシートを書いて、会社説明会にも出て、 面接・グループディスカッション対策をして・・・という ことをキチンとこなす自分に快感さえ覚えるかもしれない。 それはそれでいいのです。それがその人に合った方法だから。

ただ一方で、そうした「就活」の一つ一つに対して 「こんなの意味ないやい!」と思うあなたがいるかもしれない。

心底イヤだと思ってエントリーシートを書くならば、 心底イヤだと思ってよく分かりもしない説明会に出るならば、 その心の声に従って、「それじゃ、他にはどんなことができるか?」 「どんなことなら、楽しんで『進活』の準備ができるか?」という ことを考える方向に持っていった方がいい。 そうやって生まれた手段こそ、自分にフィットしたものだから。

その最適化された手段を通じてこそ、 その人の最大の能力が発揮されると思うんです。

エントリーシートは面倒だ!けれども面接には自信アリ! 俺の勢いとダイナミズムを感じて欲しい! それならばエントリーシートを設けない会社で、 できるだけ対面で自分を売り込むもよし。

会社説明会は面倒だ!けれどもどんな人とも話せる。 それならばたくさんの社会人に会って話を聞き、 そこから自分なりに「働く」目的を考えるもよし。

細かい正確な作業が得意で、書類を書くのも苦にならない。 それならば、自分のことをとことん分析して、 分かりやすくまとめて書類でアピールするもよし。 まとまっている簡潔明快な説明を用いて面接でアピールするもよし。

挙げたのはほんの一例ですが、 そういった能力を認めてくれる進路があるならば、 それこそがその人にとってベストな進路なのではないでしょうか。

話が大きくなりましたが、 みんなが「いい」とか「当たり前だ」とか思うもの、 自分でちょっと見直して自分基準にカスタマイズすれば、 より自分にとって「ちょうどいい」ものになるはずです。

あくまで「自分はどうしたいか」です。 それは自分で選んでいいはずなんです。 そんなことを、アドラーも言いたかったんだと思います。たぶん。