心理学で人を動かそうとするのは傲慢か

「人の心理がわかれば、人を動かせる」

みたいな本が本屋には溢れている。

実は僕もその手の本は結構好きで読んでいる。

もちろん、心理の傾向というのはあるんだろうけど、

やっぱりその人がどう思うかは

心理学的理論もさることながら、

その人の事情による部分も大きい。

もし心理学をかじった人間が

「こんな人にはこういう心理があるから、

こうすればいい」

みたいに思ってしまうとしたら、

相手の事情を無視している点で傲慢なのかもしれない。

きっと心理学とは本来、

相手の事情をあくまでも「推察」する手助けになり、

(相手の心理を「断定」することではなく)

「きっと、そういう事情があるのだろう」

という納得のいく理屈が自分の中で芽生え、

「相手をありのままに見る」という意味での「尊敬」

に結び付いてはじめて、役に立つ学問で、

結果、人間関係がスムーズになるのではないか、

と、ふと思うのです。