「ありのまま」の解釈、それでいい?

「あなたは、そのままでいい」

という旨の言説が出回っている。

それは、裏を返せば

「変わらなければ、変わらなければ」

という、よくわかんないしいまいち納得もできないけど

「変わること」を目的にしている人が多かったり、

「変わること」をいたずらに急かす風潮があったり、

ということの証拠。

「ありのまま」というのは数年前にも流行った言葉だ。

それを「ムリに変わろうとしなくてもいい」

ととることもできる。

(そこで、「自分しか変えられない」みたいな

マッチョな論調で水を差してくる人は

いまはさておいておこう。)

「あなたは、そのままでいい」という言葉、

考えかたによっては

「じゃあ、自分がありのままでいられる方法を、

考えてみるのはどうでしょう?」

ともとれる。


「自分はどうやったって生真面目な性格からは

抜け出せない」というので悩む人に対して

「そんなの、考えなければいいんだ」

「楽に考えよう」

というのはもはやアドバイスにもならない。

それができないから困っているんだ。

脳みそマッチョ野郎め!!

一方、後者の解釈からは、

「あなたはどうやったって生真面目からは抜けられない。

それはもう、どうしようもないことだ。

だけれども、生真面目なあなたが、

生真面目でも大きなストレスを抱えず生活するには、

むしろ、生真面目さが生きる生活をするには、

どういう方法を選んだらいいと思う?

という問いのタネが生まれる。

すると、

「ありのまま、ありのまま」と

呪文のように唱えながら

ストレスの多い生活を

「それも、ありのまま」

というように、

励みになるんだかならないんだかわからない

自己暗示をかけ、甘受しながら送っていくよりも、

よっぽど積極的で、前向きな思考が

生まれるのでは、と思ったのです!

尾崎豊ではないけれども

「自分が自分であるため」に、

自分がいま、できることを探して、

やっていきましょう、というやり取りを

やっているうちに、本人も気づかぬうちに

変わっていっているはず。