ぼくのラグビージャージ

僕は高校時代、ラグビー部に所属していた。 そのとき、僕は毎日同じ練習着を着ていた。 厳密に言うと、お気に入りの一枚があって、もう一つは”入部セット”として買ったカッチョ悪いやつ。 ラグビーのジャージって、それなりの耐久性があるいい素材を使っていて、結構高価なんです。 そういうこともあり、結局買い足すこともしなかった。 でも、なんとかなっていた。

毎日お気に入りが着たければ、毎日欠かさず洗濯すればいい。 最初は母さんに洗濯を頼んでいたが、母さんが何かの事情があってもし洗濯し忘れたときに 「どうしてやってくれなかったのか」とやったところでどうにもならないし、申し訳ない。 (今思えば、子供というのは本当にわがままだ。母さん、ありがとう。) かくして、僕は家に帰ったらまず泥んこのラグビージャージを洗濯機に放り込んで洗濯するのが 日課(?)になっていった。

たまに干し忘れる。 でも、なんとかなっていた。

朝起きてそれに気づいたとき、ファンヒーターの真ん前に干すと、ちょっとは乾く。 それでもダメならそのときは「カッチョ悪いやつ」で我慢する。 すると、練習のやる気も半減だ。それが嫌で忘れず干すようになった。 かくして「カッチョ悪いやつ」はますます使われなくなっていった。

「ときめく」お気に入りを少しだけ持っていればいい。 たくさんのモノを持っていなくても、結局使いたくなるのは気に入ったものだけ。 なんとかなる。いや、なんとかする