「新卒一括採用」下ならではの弱み―だから学生は買い叩かれる―
プロローグ―無職の強気な面接―
先日、退職後初めてバイト(接客業)の面接に行ってきました。 そこでは
「僕は英語と現場目線?の日本酒の説明ができますが、 求人票にある通りの頻度では入れません。 もしそれが叶わないようでしたら、他を探します。 検討よろしくお願いします」
などという、ちょっとヒヤヒヤする強気ぶりを見せました。 学生時代の就活面接はもっと下手にでていましたからね。
それにつけて、一括採用下の学生ならではの「弱み」 みたいなものがいくつか頭に浮かんできました。
「無職のおれが強くて、学生は未熟だ」 というのではありません。 むしろ、もっとたくさんのことを、 しかも高いレベルでやってのける学生はたくさんいます。 それなのに、就活市場では買い叩かれる。
「新卒一括採用」就活の弱み
「新卒一括採用」の学生はそれだけで弱い立場にいる ということを、僕なりに気づいたことから 挙げていきます。
●弱み①付加価値を提案しにくい
例えば「接客」と決まっていれば 「こんな応対ができますよ」というのを売り込めるところ 「何でもやってもらうよー」の「総合職」であれば、 何を売り込んだらいいか分からないし、 学生バイトでは踏み込めない領域の方が広いから、 ますます提案するのが困難です。 その結果、自分の力ではなくて 「長所」とか「熱意」とかいう「ポテンシャル」 を売り込まなければなりません。
あとは、バイトと違って入りたての新人は 人件費的には「負債」からのスタートであることも そこから逆転して「付加価値」をつけるのが 非常に困難である理由と言えましょう。
●弱み②卒業までに決めなければならない
基本的には学生は 「卒業までに就職先を決めなければならない」 というプレッシャーを抱えています。
それどころか、少なくとも夏休みを1ヵ月残して決めたい。
「大手」とか「優良企業」と呼ばれるところに 応募する「優秀」とされる、面接解禁と同時に 内定をもらうような学生でもそう。
好条件で雇って「もらう」チャンスは いつでもあるとは思っていないから、早く決めたい。
好条件での採用を目前に 「僕の要求をのんでくれなければ辞退する」
とは言いたくても言えないはず。 「ポテンシャル」でしかないことも相まって。
●弱み③そもそも、仕事は誰でもできる
そもそも、大事な仕事ほど 誰にでもできるようになっているから、 代わりはいくらでもいる「ことになってい」ます。
もし現職者がいなくなったら崩壊してしまうようでは その組織はあまりにも脆すぎる。 実際そんなことはないから、(皮肉にも) 新卒に頼らなければいけないほど組織は弱くないのです。 (頼らなければいけないとすれば、 いわゆるスタートアップ、と言われるやつでしょうか)
必要不可欠な仕事ほど、 誰にでもできるような仕組み(教育、マニュアルetc)がある ということです。
(「もし○○しか出来ない仕事」があるとすれば、 それはエクストラとして生み出されたものであり、 必要不可欠な部分とは別。)
理屈的には
「別に君じゃなくたっていいんだよ」
というところだと思います。
おわりに
いくら就活市場が「売り手市場」と言われていても、 (本当は対等であるのが理想だけれども) 面接を受ければパワーバランスは依然として 企業にあるというのを感じるはず。 「選ぶ側」と「選んでもらう」側として。
他にもたくさん原因はあると思います。 それはまた追い追い。