「いったい、いくらなら納得か?」―買い物・売却で気持ちよく交渉するための心構え
「金の亡者」はどこにでもいる
「金の亡者」なんて言うと、 血眼にして「カネ、カネ、カネ」と言う人を 想像してしまいがちですが、(?)
ある場面で金の亡者「モード」になる人は どこにでもいます。
「金の亡者モード」とは、 明確な理由に基づく金額設定なしに
「とにかく、安く買いたい」 「とにかく、自分のモノが高く売れたらいい」
という考えに陥ってしまっている状態のこと。
そう書いておきながら、 僕もそうなることもあります。
「いったい、いくらなら納得?」
「金の亡者モード」になるのを防ぐには、
明確な理由に基づいて 「いったい、いくらなら納得?」 という具体的な金額ライン設定が必要です。
これによって、買い物や売却で、 「損をした!」と思うことなく、 気持ちよく、スムーズに交渉することができます。
具体的な金額設定は「他でもいいんですよ」 という切り札になる
例えば、
「(もちろん、業者の提示する「買取相場」を見て) 車を売って次に買おうと思っている自転車が ○万円(それもちょっと高めに設定)だから、 ○万円前後でなければ売りません。」
とか
「洗濯機を買う予算としていま手元に キャッシュで100,000円あるんだけれども、 今、すぐ決めてキャッシュで払うから、 その110,000円の洗濯機、100,000円になりません? そうでなければ他を探そうかな・・・」
とか、
「(「商談中」にしてもらってるギターに対して) 他の店では同じモデルのギターが 6,000円安く売られていたんですが、 このお店のこのギターも同じになりませんか? (「この個体が気に入っている」という本音を 隠しつつ・・・) そうでなければそっちで買おうかな、と思ってます。。」
こちらから具体的な「納得できる金額」を その根拠とともに提示すれば
「これを満たさないようなら、売り/買いません」 という毅然とした態度で臨むことができます。
相手のリスク「交渉が成立しないこと」
なんで、強気に出ることができるのか?
それは、取引が高額になればなるほど 相手も「取引が成立しない」というリスクを 抱えているということが分かっているからです。
もしその交渉が長引けば長引くほど その間に他の買い手がついたかもしれない 可能性は大きくなっていきます。
そう思えば思うほど、 一度捕まえた(?)見こみ客には売りたいと思うはず。
ただ、もちろん、 交渉においては「相場」の前後の範囲内で。
もちろん、相場は大事。
前述の通り、値引き交渉が 「相場」の範囲に収まっていないと トンチンカンな相手だと思われて交渉すらできません。
値引き相場に関しては専門業者でないので はっきりとは分かりませんが
これまでの経験則からすれば、
新品なら元の値段の1割程度 なら結構値引きしてもらえるようです。
中古品を売りに出すときは、 よっぽど人気のブランド品でない限り、 買取業者に持っていった場合 買った当時の値段の1/3を上回れば良い方。
提示された金額にちょっとガッカリするかもしれませんが、 「すぐに現金化できる」という他にはないメリットがあります。 さっさと売ってしまった方が早く 「いま、必要なもの」にお金も気持ちも近づくのでは。
そもそも、 使っていない時点で自分にとっては無価値ですから。。
ネットに中古品を出品するときも、 1割程度値引き交渉されても 買った当時の値段の1/3を上回る程度に値段設定をすれば、 スムーズに買い手がつくのでは、と思います。
終わりに
売り手としてもきちんと利益が出る範囲で、 買い手としては「納得のいく金額で」 取引が成立すれば、文字通り「納得」です。
「もっとイケたかも?」というのは その時点ではもう可能性として永遠に 葬られることになるのです。
その可能性にかけた交渉も、 かなりのエネルギーと時間を要します。
そのエネルギーと時間は、 本来は今、本当に必要なものに割くべきです。
その際に大事なのは
「とにかく安く買えればいいな」 「とにかく高く売れればいいな」
ではなく、予め相場を意識して
「いったいいくらになったら満足か」 「どうして、その金額なら満足か」
という明確な設定金額と理由をもって、 「納得」に辿り着くこと
というのが今日のはなしでした。