忙しい大人のための読書感想文のかきかた

つまるところ、 読書感想文における本とは あくまでも自分の内側から言葉を引き出すための 当て馬的なものであって、

自分の経験や感覚に基づく言葉さえ引き出せれば、 本文を精読する必要はないし、 無理に書いてあることに納得しなくてもよい、

くらいに考えることができれば、きっとラクになる。


①自分が題材にしようと思った本を机の上に置き、 そのタイトルを眺めながら腕組みをし 「なぜ、自分はこの本を選んだか」じっくり考える。 (※この時、自分の意見だけで文字数を稼ぐために 絶対に本を開いてはいけない)

それだけでまず一枚、書いてみる。

【枠組み】 ・普段自分はこういうことをしていて、 ・こういうところに、なんとなく問題意識があって ・そのモヤモヤ解消に役立ちそうだと思い、 ・この本の「タイトル」がビビッときた (1枚書けるまで粘る)

②実際に読んでみる。このとき、 理由はともかく、 パラパラとめくり「なんとなく」印象に残った 「小見出し」を抜き出してメモする。 (※このとき、深入りするといけないので、 絶対に本文を読んではいけない)

③抜き出した「小見出し」について、 なぜ、その小見出しが印象に残ったか、①同様、 小見出しを腕組みをして眺めながら、考える。

まず1枚、書いてみる。

【枠組み】 ・普段自分はこういうことをしていて、 ・こういうところに、なんとなく問題意識があって ・そのモヤモヤ解消に役立ちそうだと思い、 ・この「小見出し」がビビッときた (1枚かけるまで、自分の経験記憶を遡り、粘る。 遡るのは自分の経験と記憶であり、本文ではない。)

※これを3回繰り返す(これまでで4枚分書けている)

④ ②で抜き出した小見出しの本文を実際に読む。 これまで書いた内容と著しく異なる点があれば、 それを「この本から得られた新しい発見」として 持ち上げておく。

(③までで書いた分に肉付けする。必要に応じて 自分の経験を書いた部分を削る。)

⑤ ②〜④で書いたことをまとめて、 改めて自分の問題意識を要約し、 「こんどから、これをやってみよう」と 思ったことを書いてまとめる。

自らの打算 とロジックの限界 にまつわるはなし

例えば、 「総合職」的なところへの就職活動で 正直な就活生はどんどん追い詰められていく、 その原因はこういうところにあると思う。

大学の専攻から、実際の「総合職」的生活へは、 極めて整合性に欠けるトランジションなのに、 さも、整合性があるかのようなロジックの提示を 求められる。

「『志望動機?!』そんなモん、ネーっすよ! 手っ取り早く評判とカネが 手に入りそうなチャンスだと思ったから、 オーボしたんス!そこんとこ、夜露死苦!」

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あいさつと白々しさにまつわるはなし

学校とか会社とか、 そういうものから離れたところに、 自分の「純粋な」友人を見つけること

これは、大学を卒業したときから なんとなく頭に置いているテーマだ。

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他人を「怒る」こと のはなし

そのとき僕が少年を実際に「怒った」のは、 彼に他人の気持ちのわかる男になって欲しいから というのでは一切なく、ただ一点、 水鉄砲で攻められつづけたことで 僕が不愉快だと思ったからだ。

そう思えば、あとは自分の気持ちを 真面目な顔をして、 ちょっとシリアスに伝えるだけだ。 なんだかスッと入ってきた。

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善い人が悪人になる

自分の考えが整理されればされるほど、 つまり「自分のことば」というものによって

自分の思う「これがいいと思う」が 理屈づけされればされるほど、

自分とは違う考え方を持つ 他人が思う「これがいいと思う」に 目が行かなくなる、という意味で、

自分はどこかの誰かにとっての 「悪人」になっていくのではないだろうか。

そして、自分の「これがいいと思う」の濃度が 自分の中でどんどん高まってきて、 それをのみ、「善」と信じて疑わず、

いよいよ他人の「これがいいと思う」を 「自分のことば」でもって 制圧しにかかるようになった暁には きっと僕は「極悪人」になるだろう。

かくして、

思いが強くなればなるほど、 それにことばが付けばつくほど、 他人にみだりに触れてはいけない のではないだろうか?

そのような思いが、 最近ふと湧いては、 頭の中を巡っている。