「共依存」のはなし

もしも、親だった人間が、 子どもが自立するに伴って、 「『親業務』をしなくていいよ」 と言われたなら、

それまで「親業務」をしていた人は、 いよいよ生活・考えの中心を

「誰かを育てること」から「自分を育てること」へと

シフトする必要に迫られる。

だけども、「親業務」に自分の存在意義を 見出していたならば、

「ナンダッテ?!お前が私の手から離れたら、 一体私はどうすればいいってんだい?!」

とばかりに、子どもの自立を妨害するだろう。 そうして、自分に依存してくれればしてくれるほど、 子どもに施しをしてあげればしてあげるほど、

「自分は親としての務めを果たしている」というような 快感を伴う高揚感に包まれるかもしれない。

これを「共依存」と呼ぶ。

そうならないためには、 子どもに拠らない自分の楽しみを、 小さいことでも、持っておかなくちゃいけない。