「高いモノはいいモノだ」ーものづくりに対するリスペクトー

「高いモノはいいものだ」。

今日職場の先輩に聞いた話によると、 香港の富裕層の間にはそういう考え方があるらしい。 そして、一本数万するような酒がバカ売れしているのだという。

一方、中途半端に高いものは売れない、とのこと。 日本では高級酒クラスの720mlで5000円くらいの酒は、 そういう感覚からすると売れないのだそうだ。

一日本人的感覚からすれば、消費意欲が掻き立てられるのは 「こんなものがこんな値段で!?」というお買い得感があるとき。 わがままなようだが、「安くて良いもの」を買いたいと思う。 そんな感覚を持っている庶民としては、 その感覚は、例え分かりたくても、分からない。

話は戻って。 「高いものは良いものだ」という考えの上では、 こと酒類のような嗜好品においては売り手が有利である。 嗜好品には品質の他に「味の好み」という 大きく曖昧な基準があるからだ。

たとえ「美味しく」なくても(その人の好みに合わなくても) 文句を言うことができない。 ワインだって 高いもの=誰にとっても美味しいもの とは 言い切れないでしょう?

ただ、そこには日本酒なら酒造好適米の王様である山田錦を、 精米歩合40~30%台まで磨いて(もしくはそれ以上?)、 非常に低い温度で、長期間じっくり発酵させた・・・という 事実がある(はず)。味の好みとか関係なく。

他のプロダクトにしたって、高い価格をつけただけの事実が あるはず。

だとすれば、「高いものは良いものだ」という考え方からは それが生み出された製法や技術も含めて ものづくりに対するリスペクトを感じるし、 そうやって買ってくれる人がいるならなお、 ものづくり側の人間も気が引き締まる思いである。