「先輩禁止!」-アニメ「ラブライブ!」にみるチーム作りの理想-

アニメ「ラブライブ!」をご存じだろうか?

9人の高校生女子が学校の廃校の危機を救うべく

「スクールアイドル」プロジェクトを立ち上げて、

入学希望者を増やしたり、さらにアイドルの大会

ラブライブ!」を勝ち上がっていく、という物語だ。

あらすじはさておき、

僕はこの「ラブライブ!」のチームに一つの

理想のようなものを見た。

9人のグループが結成された直後の合宿で

まさかの「先輩禁止」令が出たのだ。

学年が上のメンバーに敬称をつけることも、

敬語で話すことも、一切禁止された。


ポイントは2つ。

ひとつは、3年生メンバーが率先して行ったこと。

「先輩禁止令」は3年生メンバーが出したものだった。

頭脳明晰、容姿端麗、生徒会長、という

通常なら誰もが恐れ多くて指図できなさそうな人が、

率先して出したもの。彼女は

「先輩」という、覆しようのない既得権による

「尊敬されるべき」ポジションの積極的放棄、

それからチーム内における学年の年功序列の廃止

チームのメンバーそれぞれが機能するのに大事だと

判断したのだ。これは英断だ。

もうひとつは、これがチームが結成された直後に行われたこと。

一度出来てしまった上下の関係は、たとえ立場が変わっても

変えるのは非常に難しい。

恐らく、学生時代に後輩・先輩の関係にあった二人が

仕事上の関係で将来的に立場が逆転しても

「オイ」と話しかけたり「オマエ」と呼ぶことはないだろうし、

上の立場としてかつての先輩を「使う」としても

非常に気を遣うことだろう。

そういう関係ができてしまう前にまず、

形式的な上下はあれども、

基本的には「フラットな関係から始めましょう」

ということを徹底することから始めるというのは、

それこそ、最初にしかできないことだ。


ただし、現実にこれらの条件が揃うことはかなりのレアケース。

組織は人が順に入れ替わりながら、

年長者から何かを教わり、

年少者に何かを教えるところから始まる。

「先輩禁止」は究極形だとは思うけれども、

何らかの形での既得権と年功序列の廃止は、

「チームとして強くなりたければ」必須のこと。

今日の話は理想のはなし。

次回は、

「先輩・後輩の関係による双方のデメリット」の話。