「あ!お前壊したナ!?」「(ち、違うんだよ・・)」―「善意で行い損」のはなし

昨日、財布を拾った。

幸い、中に入っていた免許証に住所が書いてあって、

それがそこから近い所にあったものだから、

直接届けることにした。

当然のことながら

持ち主はずっと家中車中を探しまわっていたらしく、

届けたときには安堵の表情を浮かべていた。

その上お礼に、といって小遣いまでもらったものだから、

二つの意味で、ちょっと嬉しい気分になった。

(結局、もらったお金で僕の好物である

「カキフライ定食」を食べた。プチ贅沢をしてしまった。)


後でそのことを彼女に話したら、

「まずは、警察に届けるべき」

「もし直接本人に渡して『お金が減っている』と

モメても大変だし、間に警察を挟むべき」

ということだった。

冷静に考えればそういうこともあり得るな・・・。


今回は結果オーライだったが、

僕はそういう感じで結果として

「善意で行い損」をすることがしばしばある。

壊れているものを見つけたとき、

直そうとしてあれこれやっているときに

他の人に見つかると、

「あ、お前壊したナ!」

となるのだ。

もともと壊れていたと弁解することも可能だが、

結局壊れているモノに関わった事実は変わらず、

「じゃあ、オレは関係ない」と言って

その場を去ることもできず、結局後始末をするか、

「自分のせいで」起こったというレッテルを貼られる。

(ホテルで働いていた時だってそうだ。

余裕のない人たちはすぐに「犯人探し」を始める。

ただ、僕としては大事なのは「誰がやったか」ではなく

「純粋に、良かれと思った方へ」ということだと思っている。)

そこで例え不本意なレッテルを貼られようとも、

その弁解にエネルギーを費やしたくもない。


かくして、「善意で行い損」をすることもしばしばだが、

うまくいったら嬉しい。

というか、残念ながらほっとけるほど視野が広くない。