人が活きる組織には「中間層」がいる
「中間層」がいるかどうか、というのは
人が育つ組織かどうか、
(「教える~組織内での自立を促す」気概があるか) ひいては、組織内で居場所ができやすいか、の
ひとつの目安になるかもしれない。
僕がちょっと前、パートで働いていた時の話だ。
思い出してみれば、そこには「中間層」がいなかった。
現場で一番長く勤めている人がパートで10年以上、
現場のほとんどは派遣社員で、
現場に1年もいる人はいない。
直接雇用のパート社員で、その次に長い人でも
2年いっている人はいなかった。
そう、5~6年勤めている人たちがいなかったのだ。
人の出入りが激しい現場だったから、
長く勤めている人と、人が新しく入ってきた間に
全く採用がなかったとは考えられない。
長く勤めている人は、
時には理不尽と言えるような
厳しいルールやスタンダードのなかで、
言わば「生き残った人」。
それが当たり前だと思うから、
後任にもそれを要求し、それが合わない人たちは、
次々と辞めていく。それを見た「生き残り」は、
「あの人の心が弱くて、
自分達は強いからこそ、生き残ったのだ」
という思いをますます強める。
すると、時間と共にその傾向はどんどん強まる。
まるで、食べ物を長い間煮詰めていると、
水分が飛ばされ、その味だけが強く残るように。
結果、
(その組織での「生き残り」としての)「長く残る人」
と(使い捨ての)「新人」という構造が出来上がる。
だから、僕の狭い経験に基づく推測に過ぎないが、
「中間層がいるかどうか」
というのは、「人を活かす気概があるか」
「人を大切にする文化があるか」
「構造的に、人を大事にできるのか」
といったことのひとつの目安になるかもしれない。
ただし、「アップ・オア・アウト」を前提とした
いわゆる「プロフェッショナル」系の職業に関しては、
この限りではないと思われる。