「ボート部はおすすめか?」ーおすすめしないというところが、おすすめなのです

このブログ、実は「ボート部 辞めたい」というような 検索キーワードで辿り着く人がいるようだ。

おそらく、過去に「部活辞める?辞めない?問題」という 記事で過去の経験から私見を書いたからだ。

で、「ボート部はおすすめなのか?」 と聞かれれば、ぶっちゃけ僕はおすすめはしない。 けれども、「ボート部OBの僕がおすすめしない」というところが おすすめなのだ。変でしょ?

おそらく首都圏の大学ボート部に共通することで言えば・・・

合宿所(寮と言い換えたほうが分かりやすい)を持つボート部は 起床後の早朝練習と大学から帰着後の夕方練習の 二部練習がスタンダード。食事も、風呂も、睡眠も、 ほとんど合宿所。

大学と合宿所を往復するような生活だから 当然家には週に1、2日ある休みにしか帰れない。

とにかく練習が厳しい。 技よりも身体能力(筋力、身体の使い方、心肺能力など)が 勝敗を左右するスポーツだから、とにかく追い込む、追い込み、 追い込まれる。

追い込まれるのは肉体だけではない。胃袋もだ。 体重も大きな要素だから、身動きがとれなくなるほど食べる。 食欲の有無など関係ない。

そのくせとにかく地味。 百獣の王、武井壮をして「とにかく地味」と言わしめる

文字にするとアッサリしてしまうけれど、 実際にやってみないとその大変さは分からない。

もっとも、やっている当人たちはもはや「大変」という 感覚が麻痺している領域に達している。

・・・というほどにはおすすめできない。

じゃあ、何がおすすめか?

僕は、「なんとかする力」がつく(かもしれない)ことだと思う。

選手たちは、そういう過酷な状況のなかで、 「じゃあ、どうするか?」を絶えず考えなければならない。

じゃあ、どうやったら勉強時間を確保できるか?

じゃあ、どうやったら効率よく心身を休められるか?

じゃあ、どうやったら楽しく練習ができるか?

じゃあ、どうやったらたくさん食べられるか?

過酷な練習、身体作り、タイトなスケジュールのなかで、 人一倍多くのの問題に直面するから、 その解決策を考えて実行し続けなければならない。 そして、実際に「なんとかする」のだ。 「うまくやる」かは別としてだ。

「え、それだけ?」って? 確かに地味ですよ、「なんとかする」だなんて。 でも、実際あれこれなんとかしてきたことによる 「なんとかする」「なんとかなる」の気概こそ、 自分がその先楽しくやっていくために、 自分が「これだ!」と思ったことをやるために、 一生使える“武器”になりうるんじゃないか、と僕は思う。

そういえば、 就職先として学生がノドから手が出るほど内定が欲しい(?) 総合商社が重視する学生の能力が、 「なんとかする力」だという記事もあった。

おわりに

ぶっちゃけ僕はもう二度と大学ボートをやりたいとは思わない。

その一方で、それくらい大変だからこそ、 ボート部は「なんとかする力」がつく可能性を秘めている環境だ。 もっとも、保証はできないが。だから「かもしれない」。 (僕自身、どの程度「なんとかする力」があるかは分からない。)

そんなところが、おすすめしないし、おすすめ。

この記事、就活の自己PRに使えそう。笑