仕事を選ぶことは、ライフスタイルを選ぶこと

 「待遇」や「給料」「首都圏志向」だけで就職先を選ぶ多くの学生に対し、僕は「ちょっと待った」と言いたい。なぜなら仕事を選ぶことは、ライフスタイルを選ぶことであり、待遇や給料だけでは決められない要素がたくさんあると思っているから。

 

 たとえば、いわゆる「好待遇・高給取り」な仕事には当然それなりの拘束や苦労が伴うことが多い。給料はたくさんもらっているけれども、帰りが終電間際で(下手すれば終電すら逃すことも)、翌朝の出社時刻が8:00というケースも多い。

 もしそれが都会で、あなたが比較的土地の安い首都圏郊外に家を建てたとしよう。

朝起きて身支度・朝食を済ませるのに約1時間、オフィスまで電車で片道1時間かかるとする。当然出社時刻の15分前には職場に着いていたいし、自宅から最寄り駅までの移動時間と駅のホームでの待ち時間、駅からオフィスまでの時間を合わせて30分と考えると、5:30前には起きなければならない。しかも睡眠をとって本来はスッキリしている朝の大事な1時間・仕事が終わってホッと一息着きたい1時間、合計2時間を、毎日満員電車の中でイライラしながら、過ごさなくてはならない(!!)のだ。

 

一方で、地方の企業、給料がそれほど高くない、という条件の会社に勤めていても、「良い」生活を送ることができるチャンスはたくさんある。地方であれば、会社の近くでも首都圏に比べれば住むのにもそれほどお金がかからない。そうなれば、出勤に時間がかからないし、同じく8:00出勤だとしてもよっぽど遠くにいない限り、朝6:30に起きれば問題なく間に合うだろう。それに、給料がさほど高くない反面、残業がない(または少ない)会社であれば、仕事の前後にアフター5に家族だんらんの時間を作ったり、または仕事とは別にやりたいことに打ち込んだりすることもできる。職場以外での自分のキャラクターをもつこともできるかもしれない。

 

もちろん、「プライベートな時間はあまり重視しないからとにかくたくさん仕事をして自分を磨きながらたくさん稼ぎたい!そのためなら残業も満員電車もなんのその」「やっぱり都会の刺激はサイコー!」という人もいるでしょうから、どっちが良くてどっちがだめ、ということはないのです。

 

だから、「待遇」「給料」「都会志向」だけを重視して就職先を選ぶのではなく、

いま一度、自分の中で「どんな生き方をしたいか」を考えて、就職活動に臨めば

きっと「良い」(=自分にぴったりな)就職先が見つかるのではないでしょうか。

 

(そのためにも、「『ここだけは譲れない』『これは自分の中で我慢できる』というもの」≒「価値観」を明確にすることが大事になってくるのです。後日「価値観」について書きたいと思います。)