結果にコミットするか トレンドに乗せるか

僕の父がかつてダイエットに励んだ時の話を聞いた。 健康診断で何かの基準に初めて引っかかって、 それが本当に悔しかったらしい。

毎日のように仕事終わりにジムに通い、しっかり汗を流す。 食べるものにも当然、それまで以上に気を遣う。 結果、みるみるうちに体重は減り、 一時は病気かと心配されるほど劇的な変化を遂げたらしい。 もちろん、一年後の健康診断はパス。 見事、一年で健康な身体を取り戻した!

ここまでならただの良いエピソード。 しかし、残念ながら後日談によると ジム通い&食事制限は長期的な習慣にはならなかったとのこと。 一念発起のきっかけとなった健康診断時ほどではないにしても、 いわゆる「リバウンド」してしまったらしい。 「痩せるのを目的にするんじゃなくて、 『痩せ』傾向に乗せればよかった」と。

巷で流行っているフレーズ「結果にコミットする」。 期日を設けて、それまでにいつもと大きく違うことをして、 短い期間で結果を出す。

それがもちろん良いときもある。 海に行く約束をした7月までにキレキレのボディを作って、 気になっているあの娘の前で堂々としていたい!とか、 一年間で30万円貯めてヨーロッパ旅行に行こう!とか、 そういう目標のために、我慢してガッツリ食事制限をしたり、 普段は行っていなかったジムに通ったり、 我慢して大幅に節約したり。

ただ、もしもその結果の先に「健康体を維持する」とか、 「無駄遣いを減らして節約体質を作る」とか、 長期的かつ無期限の目標があるなら、 「結果にコミットする」スタイルはかえって逆効果かもしれない。

そこにちょっとでも「無理」や「我慢」があるからだ。

目指すもの、とくに体質や習慣の改善を望むならば、 特に数値的目標を設定せずに、とりあえず毎日続けるほうが効果的。

とにかく結果にコミットしたいのか、習慣にしたいのか。 それによって作戦は違う。