尊敬とは「ありのままにその人を見る」こと

アドラー心理学について書かれた本『嫌われる勇気』の続編、 『幸せになる勇気』に「尊敬」について面白い記述があった。

その本は

尊敬とは「ありのままにその人を見る」こと

と始めて、こう続ける。

目の前の他者を変えようとも操作しようともしない。 なにかの条件を付けるのではなく、 「ありのままのその人」を認める。

身の回りの「尊敬」している人のことを思い出してみる。 僕たちにとってその人はすでにそれでよい状態にあり、 そこから変わり、成長するということを求めることはしない。

(変化し成長することを求めるなんて上から目線で恐縮だ。)

その態度をどんな人にもとるとする。 相手には特に変わること(成長すること)を求めていない。

ゆえに何か状況を変えようとするならば自分が変わる必要がある。 (相手に変わって欲しいと願い続けても相手を変えるのは難しい。)

となれば、回りの人を「尊敬」することは、 そういうマインドセットに立った、非常に建設的な態度だとわかる。

さらにこんなことも書かれていた。

そしてもし、誰かから「ありのままの自分」を認められたなら、 その人は大きな勇気を得るでしょう。尊敬とはいわば 「勇気づけ」の原点でもあるのです。 ありのままを認めることで、相手は変わらないかもしれないし、 変わるかもしれない。 相手がその勇気を使うか使わないかはその人次第です。

相手を無理矢理変えようと思ったところで相手は変わらない。 それならば、ありのままにその人を受け入れ、勇気づけることで 相手がいい方向に変わるならば、相手を「尊敬」しない手はない。