「酒母=ゼニガメ」だ!

酒母」ってなんだ

日本酒はその製造過程が複雑なことで有名ですね。 だから、残念ながら日本酒と「ウンチク」は なかなか強い結び付きがあるようです。

(もちろん、ウンチクを知っていることと、 日本酒ファンを自称できるかどうかは全く別の話。 ただし、知っていれば何となく味のタイプが想像できる、かも)

日本酒の製造工程を説明するのに出てくる専門用語に 酒母というものがあります。 これは「酛(もと)」とも呼ばれていて、

最近メディアで話題の「日本酒スタンド 」は そこから名付けられたものと思います。

ただし、酒母の説明は難しい。 日本酒について説明するときも、 「酒母というものがあって・・・」というパワープレイで ねじ伏せる場面も散見されました。

「その酒母ってのが何だか分からないから聞いてるんだよ!」 と思いながらも、僕自身いい説明の仕方が浮かびませんでした。

業界に携わっていると、 心のどこかで「正確で不足のない情報を届けなければ」という 意識が働いてしまいがちですが、 「味を予想する」という目的を除けば、ぶっちゃけ製造工程なんて 知らなくたっていい、それどころか、難解な説明が カスタマーを遠ざけてしまっては本末転倒だ、と思うんです。

そこで編み出しました。これでどうでしょう。

酒母とは、ゼニガメである」

●「酒母ゼニガメ」!?

まずは下の汚い絵をご覧いただきたい。

左から、ゼニガメカメールカメックスです。(念のため・・・)

矢印の横に、「水・こうじ・米」と書いてあります。 これが酒の原材料であり、ポケモンでいうところの「敵」。

その矢印の大きさは、「敵の強さ」だと思ってください。

矢印が段階的に大きくなっているのに気づいたでしょうか? ゼニガメでは強い敵は倒せませんが、 カメールカメックスと進化するにつれて 強い敵を倒せるようになります。

敵を倒して得られる「けいけんち」が「酒」です。

すなわち、ポケモンの強さ=微生物の発酵力」が 弱いときは、多くの酒を作ることができませんが、 強くなればなるほど、たくさんの酒を作れるようになります。

ゼニガメに対して最初から強い敵と戦わせても まず勝てないように、

発酵力がない段階で大量の材料を仕込んでも、 製品のような酒はできないのです。

ちなみに・・・ 酒は発酵タンクをどんどん大きくしながら、 水・蒸米・麹を段階的に仕込みます。 それは先述の通り、発酵する微生物たちの力を育てながら 発酵させないといけないから、です

それで、その初期段階が「酒母」であり、ゼニガメなのです。

(何でゼニガメを選んだかは聞かないでください)

「母」という字を使いながら、 大きさからいえば「酒の子供」なんです。ややこしい。

●終わりに

専門的な部分はかなりカットしてありますし、 知識のある人からすれば付け加えることは多いと思います。

ただ、ふんわりした概念をつかむ、という目的にフォーカスすれば こんなところでないでしょうか。

専門的なことを知りたい方は「酒母」で検索してみてください。 トップに詳しい説明のあるサイトがあります。